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月別アーカイブ: 2025年11月

ポーテックのよもやま話~第20回~

皆さんこんにちは!

 

福井県坂井市を拠点に福井県・富山県・石川県などの北陸エリアで、コンクリート二次製品・布設・緊張工事などを主な事業として行っている

株式会社ポーテック、更新担当の富山です。

 

 

 

 

🏗️プレテンション方式とポストテンション方式

〜二大工法の違いと使い分け〜

緊張工事には、大きく分けて「プレテンション方式」と「ポストテンション方式」という2つの工法があります。
どちらも“コンクリートをより強くする”という目的は同じですが、
工程・設備・用途には明確な違いがあります。

ここでは、両者の特徴と使い分けのポイントを詳しく見ていきましょう。


⚙️プレテンション方式(Pretensioning)

 

プレテンション方式は、あらかじめ型枠の中でPC鋼材を引っ張っておき
そのままコンクリートを打設して硬化後に力を解放する工法です。

つまり、鋼材を先に緊張 → コンクリートで固めるという順序になります。

【特徴】

  • 鋼材が直接コンクリートと付着するため、付着性能が高い

  • 工場での製品製造(プレキャスト製品)に適する

  • 現場での作業時間を短縮できる

  • ただし、長尺構造物や現場打ちには不向き

代表的な使用例は、プレテンション桁、スラブ、PCポールなどです。
工場で精密に管理できるため、品質のばらつきが少ないのが強みです。


🔩ポストテンション方式(Post-tensioning)

 

ポストテンション方式は、コンクリートを先に打設・硬化させた後
シース内に通したPC鋼材を油圧ジャッキで引っ張る工法です。

つまり、コンクリート完成後に緊張を与える点がプレテンション方式との大きな違いです。

【特徴】

  • 長大スパン構造や現場施工に最適

  • 緊張力の調整が柔軟で、設計自由度が高い

  • シース・グラウト材を使用し、防錆にも配慮可能

  • ただし、現場環境や施工精度の影響を受けやすい

代表的な使用例は、橋梁・高速道路・大スパンの建築梁など。
大型構造物に欠かせない工法であり、緊張工の熟練技術が光る分野です。


🧩工法の使い分け

 

項目 プレテンション方式 ポストテンション方式
主な施工場所 工場(プレキャスト) 現場(橋梁・建築)
緊張タイミング 打設前 打設後
鋼材の付着 コンクリートに直接付着 シースを介して間接的
主な用途 桁・スラブ・電柱など 橋梁・床版・大梁など

両者は用途こそ違いますが、
いずれも**「高耐久・高強度の構造を実現するための技術」**という点で共通しています。


🧱現場での役割とチームワーク

 

緊張工事は、設計・加工・緊張・定着・検査と多段階の工程で進みます。
特にポストテンションでは、油圧管理やグラウト注入など、
一人のミスが構造全体に影響を与えるため、常にチーム連携が重要です。

安全確認・声の掛け合い・計測記録。
どれも小さな作業のようでいて、完成した橋を支える“見えない力”となります。


👷‍♀️求職者の方へ

 

緊張工事は、建築・土木の世界でも“ハイレベルな専門技術”として知られています。
しかし、最初から完璧にできる人はいません。

現場では、ベテラン職人が測定の方法、ジャッキ操作、資材管理などを一つひとつ丁寧に教えます。
技術が身につくほど仕事の幅が広がり、将来的には緊張管理技術者・施工管理技士などの資格も目指せます。

モノづくりが好きな方、橋や建物に関わる仕事をしたい方には、まさに天職です。


まとめ

 

プレテンション方式とポストテンション方式――
2つの工法は違っても、目的は同じです。
「より強く、より長く、安全な構造をつくること」。

緊張工事は、力学と技術、そして職人の経験が融合する“構造の芸術”。
その一つひとつの現場に、未来の社会インフラを支える誇りが込められています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

株式会社ポーテックでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

福井県坂井市を拠点に福井県・富山県・石川県などの北陸エリアで、コンクリート二次製品・布設・緊張工事などを主な事業として行っております。

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

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ポーテックのよもやま話~第19回~

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⚙️緊張工事に使う資材

〜精度がすべてを決める、鉄とコンクリートの共演〜

緊張工事(プレストレストコンクリート工事)は、
コンクリート構造物に「あらかじめ力(プレストレス)」を与えることで、
強度・耐久性・ひび割れ抑制を実現する工法です。

その根幹を支えるのが、緊張資材の品質と精度
ここでは、現場で使われる主要な資材とその役割を詳しく見ていきましょう💡


🧵1. PC鋼材(Prestressing Steel)

 

緊張工事の主役ともいえる「PC鋼材」。
これは、高強度の鋼線・鋼より線・棒鋼で構成され、
コンクリート内部で引っ張る力を担う“筋肉”のような存在です。

種類には以下のようなものがあります:

  • PC鋼より線(ストランド)…橋梁や床版に使用。高い引張強度を持つ。

  • PC鋼棒…建築スラブなどに使われる。施工が容易で短スパン向け。

  • PC鋼線…細径構造に適し、微調整がしやすい。

PC鋼材は、1本1本に製造番号や強度データが付与され、
ミリ単位の管理のもとで選定・施工されます。


🧩2. 定着具(Anchorage)

 

定着具とは、引っ張った鋼材を固定する部品です。
コンクリート内に緊張力を保持するため、非常に重要な要素です。

代表的なタイプには:

  • ウェッジ式…くさび状で鋼材をしっかりとつかむ構造

  • ナット式…鋼棒のネジ部を固定するタイプ

定着具のわずかな摩耗やズレが、構造全体の性能に影響するため、
現場では清掃・点検を徹底し、定期的な交換が行われます🔧。


🌀3. シース(Sheath)

 

シースとは、PC鋼材を通す金属または樹脂製の管のことです。
コンクリート打設時に鋼材を守り、緊張後のグラウト注入の通路にもなります。

シースの選定は、構造形式や曲げ形状によって変わります。

  • 金属シース…耐久性が高く、長スパン構造向き

  • 樹脂シース…軽量で施工性に優れる

コンクリート打設時には、シースの浮き・折れ・潰れを防ぐため、
専用治具で固定しながら慎重に配置します。


💧4. グラウト材(Grout)

 

緊張完了後、PC鋼材とシースの間に**グラウト(セメント系充填材)**を注入します。
これが内部を満たすことで、鋼材の防錆・付着強化・ひび割れ抑制が行われます。

グラウト材は、練りムラや空気混入を防ぐため、
自動攪拌機や圧送ポンプを使用して一定圧で充填します。

この工程をおろそかにすると、鋼材が腐食し寿命が大幅に短くなるため、
最も慎重な作業のひとつとされています。


🧰品質基準と管理

 

緊張資材はどれも高精度かつ高品質が求められます。
JIS規格や国交省の品質基準を満たす材料を使用し、
施工中も「引張試験」「定着確認」「グラウト密実度試験」などを実施します。

すべては、構造物を“50年、100年持たせる”ための品質管理です。


👷‍♂️求職者の方へ

 

緊張工事は、精密な作業とチームワークが求められる仕事です。
大型橋梁や高速道路、ビルなど、スケールの大きい現場で自分の技術が形になる――
その達成感は何物にも代えがたいものです。

未経験からでも、資材管理・緊張作業の補助など、ステップを踏んで技術を磨けます。
細かい作業が得意な方、モノづくりに誇りを持ちたい方にぴったりの現場です。


まとめ

 

緊張工事は“見えない力”で構造を支える重要な技術です。
その中で使われる資材一つひとつに、職人のこだわりと技術が込められています。

資材を理解することは、安全で美しい構造をつくる第一歩。
緻密な工程の積み重ねが、社会インフラの未来を支えています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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